山本会計事務所


今月の商売のヒント 

    
【脆い(もろい)「GNP商売」】        2010年11月17日
  •  義理と人情の狭間で悩むのは、任侠映画の世界だけではありません。経営者も事あるごとに義理を立てるか人情を重んじるかと悩み、選択を迫られ、時に判断ミスで自分の首を絞めたりします。
     商売で義理を欠けば致命的。片や人情は、自分の力量範囲なら事は丸く収まっても、力量を超えた人情はだれのためにもなりません。また、義理と人情だけでもやっかいというのに、さらに「袖の下」まで持ち出す人もいます。ある業界ではこれを「GNP」と呼ぶそうです。Gは義理。Nは人情。Pはプレゼント。いわゆる「できない営業マンの奥の手」です。
     そのような営業マンがお客様に勧めるのは、相手に必要な商品ではなく、自分に都合の良い商品です。だからといって作為があるわけでもなく、会社の方針に従順なだけのこと。お客様から搾取することもない代わりに、お客様のニーズに合った商品を提供するだけの知識もキャリアもありません。だから「GNP」に頼るしかないのです。
     「たしかあのときお世話しましたよね」と過去の貸しを逆手にとり、「私を助けると思ってお願いしますよ」と人情に訴え、見え透いた手土産で恩を売るのが当たり前の時代もありました。「GNP」でつながった関係が、後に破綻を来たした例はいくらでもあります。一方で優秀な営業マンは「商品」ではなく「自分」を売ると言われます。この人だから安心、この人なら任せたい、そんな「ひと対ひと」の 営業は「GNP」の真逆です。しかも、義理や人情やプレゼントからスタートした 関係ではないからこそ、いざという時に義理人情で助けてもらえたり、物で表す 感謝の気持ちが顧客との関係を深めることに役立ったりもします。
     『三匹の子ブタ』という童話にたとえれば、「GNP商売」はワラや木の枝で建てた家のようなもの。強い風が吹いたら簡単に吹き飛んでしまう脆い商売の典型です。まっとうな商売をする人は「ひと対ひと」でレンガの家を構築していきましょう。

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    公認会計士・税理士
    山本 祐一

 経歴

   1956年 茨城県神栖市波崎生
   1975年 銚子商業高校卒業
   1979年 専修大学商学部卒業
   1987年 監査法人トーマツ退社
   1987年 山本会計事務所開業

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