山本会計事務所


今月の商売のヒント 

    
【今こそ問いたい商売の品格】       2012年10月26日
  •  長野県の諏訪湖はそのむかし、子どもたちが泳いで遊ぶほどきれいな湖だったそうです。それが経済成長期に水質汚染が進み、一時期は「日本一汚い湖」と言われたこともありました。今ではずいぶん浄化活動が進 んでいるようですが、諏訪湖がまだ「汚い湖」だった頃、毎朝、ゴミ袋を片手に 湖畔のゴミ拾いをする一人の男性がいたそうです。地元で商売をしているTさん です。「諏訪湖で泳ぐ子どもたちの姿をもう一度見たい」、Tさんのそんな願いか ら始まった、たった一人の諏訪湖清掃は次第に人の知るところとなり、地域の人 たちも朝のゴミ拾いに参加するようになったそうです。そんなある夏の朝、湖畔 に大量の花火カスが落ちていました。「誰だよ、せっかくきれいになってきたのに」。ゴミ拾いに参加していた人は、その光景にガッカリして腹を立てました。ところがTさんは、目を輝かせながらこう言ったそうです。「いやぁ、嬉しいな。やっとみんなが諏訪湖で遊んでくれるようになったよ」。
     Tさんの言葉に、その場にいた全員が「この人にはかなわない」と襟を正したそうです。Tさんは精密機械の商売をしています。商売のやり方も諏訪湖清掃と同じです。仕事の依頼主には、「おたくから○○円でいただく仕事を下請けには△△ 円で出し、その差額で従業員を養っています。ですからこれ以上値下げされると 従業員給料を払えません」。下請けさんには、「入りの金額は○○円。だからおたくには△△円で出します」。すべての金額を包み隠さず提示するTさんに対して 依頼主も下請けさんも「この人にはかなわない」とやはり襟を正すのだそうです。従業員が普通に暮らせるだけの商売ができればそれでよし。それ以上の欲を求めると商売が長続きしない。Tさんを商売人として、人として慕う人はとても多く、「Tさんがそう言うなら」とあっさり話がまとまることも少なくありません。一時期ブームになった「○○の品格」という言葉を、今こそ自分の商売に当てはめて考え直してみたいものです。業種や業態が違っていても、世のため人のために商売をしている人には、どうしたってかないません。

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    公認会計士・税理士
    山本 祐一

 経歴

   1956年 茨城県神栖市波崎生
   1975年 銚子商業高校卒業
   1979年 専修大学商学部卒業
   1987年 監査法人トーマツ退社
   1987年 山本会計事務所開業

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