山本会計事務所


税務コラム NEWS

    
【青色申告承認取消処分は違法ではないが不当な処分と判断】 2011年9月20日
  •  帳簿書類の不提示等を理由にした青色申告承認の取消処分の可否が争われた事件で、国税不服審判所は、帳簿書類の備付け及び記録の不備の程度は甚だ軽微であるから、原処分は違法とはいえないものの不当な処分であるとして原処分を取り消した。

     この事件は、原処分庁が審査請求人に帳簿書類の提示を求めたところ、未作成を理由に不提示だったことから青色申告承認の取消処分をする一方、同族会社の行為計算否認規定を行使して所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分をしてきたため、その取消しを求めて審査請求した事案。

     原処分庁は、調査の際に不動産所得に係る帳簿の未作成を理由に提示しないのは現金出納帳を備え付けていない場合に該当すると判断、伝票の確認ができず、帳簿書類の備付け、記録及び保存が正しく行われているか否かを判断できなかったのであるから、取消事由に該当する事実があると主張していたわけだ。

     裁決はまず、青色申告承認の取消しはその事由に該当する事実が形式的に存在するか否かだけでなく、業種業態、事業規模に応じた帳簿書類の備付け及び記録の状況、提示の状況等々の個々の事情を総合的に勘案して、真に青色申告を維持するにふさわしくない場合に行うべきであると解釈。

     その上で、請求人の帳簿書類の備付け、記録及び保存には取消事由に該当する事実があると認められるが甚だ軽微であり、伝票、通帳及び領収書等を集計して計算した各年分の所得金額は十分正確性が担保されていると認定。結局、取消処分は違法とはいえないものの、真に青色申告を維持するにふさわしくない場合とまではいえないから不当な処分と評価せざるを得ないと判断、原処分庁の主張を斥けている。(国税不服審判所、2010.12.01裁決)

     

     

    提供元:21C・TFフォーラム

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    公認会計士・税理士
    山本 祐一

 経歴

   1956年 茨城県神栖市波崎生
   1975年 銚子商業高校卒業
   1979年 専修大学商学部卒業
   1987年 監査法人トーマツ退社
   1987年 山本会計事務所開業

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