税務コラム NEWS
【リゾート地に購入した土地が損益通算の対象になる得る場合】 2003年10月20日
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バブル期には、個人が投機目的で観光地に土地を購入するケースも珍しくなかった。この時購入された土地は、バブル崩壊により、現在ほとんどが空き地のまま放置されているという。しかし、バブル崩壊から既に10年を過ぎ、値上がりの見込みもほとんどないことから、土地の売却を検討する土地所有者も少なくないようだ。
ただ、ここで気になるのは、その土地の売却に伴って生じた損失が、税務上「損益通算」の対象になるかどうかという点。所得税法上、不動産所得、事業所得、山林所得、譲渡所得の金額の計算において生じた損失については「損益通算」が認められているが、「生活に通常必要でない資産」に係る所得の金額の計算上生じた損失についてはその対象外とされている。バブル期、リゾート地に購入された土地の多くは、「投機目的」で購入されたもの。したがって、「生活に通常必要」であるとは考えにくいところだ。
しかし、「生活で必要でない資産」とは、具体的には競争馬等射こう的行為の手段となる動産のほか、不動産に関しては「通常自己及び自己と生計を一にする親族が居住の用に供しない家屋で主として趣味、娯楽、保養又は鑑賞の目的で所有する不動産」をいうこととされている。リゾート地にあるとはいえ、空地として放置された状態の土地が、「主として趣味、娯楽、保養又は鑑賞の目的で所有している」とはいえないため、その土地に係る譲渡損失は損益通算の対象になり得ると考えてよいことになる。 - (提供元:21C・TFフォーラム)