税務コラム NEWS
【納税者勝訴率 9.6%】 2003年11月25日
- 納税者勝訴率9.6% 異議申立て5.3%アップ
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国税庁が、「平成14年度における不服申立て及び訴訟の概要」を発表した。全体的に、納税者の主張が増えていて、当局による強引な課税が浮き彫りとなっている。
まず、税務署への異議申立ての発生状況をみると、前年度に対し源泉所得税、法人税、消費税関係の事案が増加し、前年度比5.3%増の5119件。処理状況は4809件で、そのうち一部でも納税者の主張が認められたものは774件。前年比1.2%増の16.1%だった。 -
次に、国税不服審判所への審査請求件数は2823件で、前年度比3.0%減。とくに申告所得税、相続税・贈与税などの事案が大幅に減っている。処理件数は3403件で、一部でも処分が取り消されて、納税者に軍配があがったのは14.7%の500件。前年度より0.8%増加した。
さらに、訴訟の発生状況だが、課税・徴収・審判所関係の合計で380件起きている。所得税、法人税、消費税、審判所関係に関わる事案が増加した一方で、相続税・贈与税、徴収関係、その他の事案が減少したため、発生件数は前年度より5.0%減少している。訴訟の終結状況は課税・徴収・審判所関係の合計が346件。そのうち、一部でも納税者が勝った勝訴率は9.6%だった。ちなみに、過去の勝訴率は平成10年が5.6%、11年6.1%、12年5.6%、13年8.2%といった状況で、増加傾向にある。
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また、一件当たりの終結期間は、地裁でおよそ2〜3年、高裁・最高裁で約1年程度だったことから、国税庁では「さらなる迅速化が必要」としている。
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