税務コラム NEWS
【短期前払費用の損金算入】 2004年11月24日
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1.概要
法人が支出した前払費用は役務提供が行われる期間に対応して繰延経理をするのが原則です。しかし、支出をした日から1年以内に行われる前払費用について、一定の条件を満たしている場合には、「短期前払費用」として支出した事業年度の損金の額に算入することができます。(法基通2−2−14)前払費用とは、法人が一定の契約に基づき継続的に役務の提供を受けるために支出した費用のうち、その事業年度終了の日においてまだ提供を受けていない役務に対応するものをいいます。
例:地代家賃、リース料、保険料、支払利息など2.摘要用件
(1) 支払った日から1年以内に役務提供を受けるものであること。
(2) 短期前払費用を継続して支出時の損金として処理していること。3.注意事項
(1) その費用が収益の計上と対応させる必要があるもの、例えば借入金利子でも有価証券等を運用するための借入金に係る利子は、収益の計上と対応させる必要があるので、短期前払費用の適用はありません。
(2) 1年超の対価を前払いしたとすると、そもそもここでいう「短期前払費用」には当たらないことから、1年を超える部分のみならず、期末までに未経過の部分全額を翌期以降に繰り越すことになります。
(3) 短期前払費用を手形の振り出しで支払った場合、期末までに未決済であっても、既に支払ったものとみなすことができます。4.具体例
前提: 3月決算法人であるA社が12月中に1月から6月分の家賃60万円を支払った場合。
原則→支出時:(地代家賃)60万円 (現金預金)60万円
決算時:(前払費用)30万円 (地代家賃)30万円
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例外→支出時:(地代家賃)60万円 (現金預金)60万円
決算時:仕訳なし