税務コラム NEWS
【納税者の権利救済手段】 2004年5月19日
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1更正の請求
つぎの理由により提出した申告書の税額が過大であることが判明したときは、法定申告期限から1年以内に限り「更正の請求」をすることができます。
(1)税法規定に従っていないケース
(例)還付金など益金不算入を益金算入していた場合
(2)単純な計算誤り
(例)売上・費用の帰属年度違いで税額が過大だった場合
※更正の請求期限終了後または、更正の請求が認められない納税者有利規定についても、やむを得ない事情があった場合には、「請願書・嘆願書による請求」
が認められることがあります。2 不服申立てと争訟
税務当局の課税処分に対し、納税者側の権利救済として税務争訟の制度があります。税務争訟の流れ
@税務署・国税局の処分に不服があるとき
2ヶ月以内に(税務署・国税局に対する)異議申立て
A異議申立て決定になお不服があるとき
1ヶ月以内に(国税不服審判所に対する)審査請求(青色申告者は、直接審査請求できる)
B審査請求の決定になお不服があるとき
3ヶ月以内に訴訟異議申立て・審査請求・訴訟で03年度中に処理されたもののうち、納税者の主張が全面的または一部認められたものは、いずれも13〜15%程度です。この比率は近年増加傾向にあり、2002年の東京地裁の税務訴訟における納税者の勝訴率は40%となりました
(日本経済新聞 H15.11.24)。
1.修正申告で追加納税した場合は、不服申立てすることができません。
2.不服申立ては、裁判所での取消訴訟と異なり、訴訟手数料がかかりません。
3.納税者の事前照会に対し税務当局が文書による回答を行う制度が拡充され、 特定の納税者の個別事由に係る取引も対象となりました。(1)仮定・仮説を置いた取引、
(2)明らかに合理的でない取引、
(3)役員の過大報酬などの事実認定を要する取引、
(4)実地確認・関係者への聞き取りを要する取引以外は、事前に文書による回答を求めることができます。
(情報提供:Grant Thornton ASGグループ ASGマネジメント)