税務コラム NEWS
【売掛債権の消滅で貸倒損失処理できる年度は】 2009年8月26日
-
売掛債権の消滅は破産手続の終結決定があった日とする事案
(事例要約)
請求人は破産法人の破産に疑念を持ち、最後に配当された(破産手続の終結決定)後も売掛債権の回収を図ろうとし、破産手続の終結決定した事業年度に貸倒損失を計上せず、自らが主張する事業年度(翌事業年度)において回収不能と判断し、当該事業年度の貸倒損失として処理した。これに対し、原処分庁は売掛債権の全額を回収できないことが明らかになったのは会社が主張する事業年度の前事業年度に発生した金額であるから、会社が主張する事業年度の損金の額には算入できないとした。
国税不服審判所は、 破産法人に係る破産手続はすべて適法に行われ、法律上、破産手続の終結決定があった日に法人格が消滅したものと認められることから、会社が有する破産法人に対して有していた売掛債権はその終結決定の日に消滅したと認定。その結果、会社が有していた売掛債権は終結決定のあった事業年度の貸倒損失であり、会社が主張する事業年度の貸倒損失とすることはできないと判断した。
(国税不服審判所、2008.06.26裁決)