税務コラム NEWS
【消費税の課税の適正化に注意!】 2012年6月19日
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社会保障・税一体改革素案が正月早々の6日に正式決定され、いよいよ消費税率引上げの本格的な議論が進むが、一方で課税の適正化が着々と進められる。いうまでもなく、国民に負担増を求めるのに伴い、消費税制度の信頼を確保するための措置だが、すでに平成23年度税制改正においても措置されている。実務上影響が大きい見直しもあるだけに改正内容に注意したい。
それは、
1)免税事業者の課税売上高が上半期で1000万円を超える場合には、その翌期から課税事業者とする、免税事業者の要件の見直し、
2)仕入税額控除におけるいわゆる「95%ルール」の適用を課税売上高5億円以下の中小企業者に限定する、いわゆる「95%ルール」の見直し、
3)確定申告書に係る添付書類の提出義務化、4)消費税の不正受還付罪の未遂罪の創設などだ。
4)の不正受還付罪の未遂罪の創設は、すでに平成23年8月30日以後の違反行為から適用されており、「95%ルール」の見直しは、平成24年4月1日以後に開始する課税期間から、確定申告書に係る添付書類の提出義務化も平成24年4月1日以後提出する還付申告書についてそれぞれ適用される。また、税事業者の要件の見直しは、平成25年1月1日以後に開始する事業年度から適用される。 特に、免税事業者の要件の見直しは、実務上影響が大きい改正だけに注意が必要となる。改正前は、当期の扱いは前々期の課税売上高のみで判定したことから、前期に売上高が急増しても、課税事業者となるのは翌期からだった。しかし、改正後は、課税売上高が上半期で1000万円を超える場合には、その翌期から課税事業者とされる。適用は来年平成25年1月からだが、その判定期間は今年になるので留意が必要だろう。
(提供元:21C・TFフォーラム)